徹底調査!!4種類のプレハブ工法とは

4種類のプレハブ工法一覧

4種類のプレハブ工法を解説

1.ユニット系プレハブ工法とは

ユニット系プレハブ工法は、鉄骨のフレームや木材のパネルで構成されたユニットを工場で生産し、それを現場で設置する工法。

保管されたユニットハウス

メリット

  • 品質が安定している:工場でユニットを製作するため、職人の技術による差が生まれにくいです。これにより、品質のバラつきが少なくなります。
  • 工期が短い:天候の影響を受けにくい工場でユニットハウスを作っている間に、現場で基礎工事を進めることができ、現場での設置作業は1日で済むので、工期を短縮できます。
  • 地震に強い:ユニット系プレハブ工法は、一般的に地震に強いとされています。これは、ユニットの構造が「ボックスラーメン構造」であり、柱と梁が溶接で一体化されているためです。
  • 大空間がつくりやすい:鉄骨ラーメン構造は壁や柱の少ない大空間をつくりやすいです。
  • 移動可能性: ユニットハウスは必要に応じて移動可能で、場所の変更が容易です。これは特に一時的な住宅として利用される場合に有益。

デメリット

  • 間取りに制限がある:ユニット系プレハブ工法は、工場で作られた箱型のユニットを組み合わせる工法なので、ユニットの枠にあたる柱や梁は無くすことができないので、階段や窓の位置などに制約がある。
  • 施工できない土地もある:ユニット系プレハブ工法は、大型のトラックやユニック車が必要なので、狭い土地や道路が狭い土地では施工できないことがあります。また吊り上げる時にアームを伸ばすため、付近に電話線や光ファイバー、CATV.などの電線が密に張り巡らされている場所では、設置が不可能な場合もある。
  • リフォームしにくい:新しくユニットを加える増築はしやすいのですが、ユニットの制限でリフォームがしづらいこともあります。ユニット工法は、鉄骨の加工が困難なので、リフォームがしにくいです建てたメーカー以外のリフォーム業者では対応できないケースが多く、メーカーに依頼すると割高になることが多いです。将来のリフォームを考えると、従来の軸組工法のほうが自由度が高く、対応できる工務店も多いです。

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2.木質系プレハブ工法とは

木材の枠組みに板を張った工場生産の木質系パネルを現場で組み立ててつくる工法。

CLT(Cross Laminated Timber)という積層合板(複数の木材を交互に積層して作られた強度の高い大型パネル)を使用し、木材の強度や安定性を高めるとともに、大空間や高層建築にも対応できるという新しい工法としても注目されています

メリット

  • 断熱性と気密性:木質系プレハブ工法の大きな特徴は、断熱性や気密性に優れていることです。パネルの内側には、不燃建材の石膏ボードが使われることが多く、火災にも強さを発揮します。
  • 歪みに強い:歪みが起きにくい構造のため、地震や台風などから建物を守ってくれます。
  • デザインの自由度:住宅や集合住宅、商業施設などの様々な建物の構築に適用されています。これにより、異なる用途に合わせた建物が効率的に建設されています。

デメリット

  • 防火性の課題:木材は一般的に燃えやすい性質があり、防火性に課題が生じる可能性があります。これに対処するためには、適切な防火処理が必要です。
  • 耐久性の制約:木質建材は湿気や虫害などの外部要因に対して比較的敏感であり、適切なメンテナンスが必要です。
  • リフォームがしにくい:床、屋根、壁が一体になっているため、間取りを変更するのが難しい。

3.鉄骨系プレハブ工法とは

工場で溶接した鋼材を骨組みとして使っている工法。

柱・梁・けたなどを軽量形鋼で構成し、壁・床パネルを張りつける軸組方式と、外壁パネルで構造耐力を持たせるパネル方式があります

メリット

  • 簡単な組み立て:現場ではボルトを固定するだけなので、簡単に組み立てられます。
  • 品質が安定している:工場で徹底した管理のもと生産された部材は標準化・規格化されており、木材などの自然の材料と違ってその質にバラつきはほとんどありません。また、組み立てるだけで簡単に建築できるので、熟練した職人の技術や経験がなくても高い精度で組み上げることができ、完成度が安定しています。
  • 大空間の構築が可能:鉄骨構造は大きなスパンに対応でき、柱や梁の数を最小限に抑えられるため、広い空間を構築するのに適しています。
  • 外観デザイン(ファサード)の自由度:鉄骨は細い構造部材でありながらも強度があり、外観デザインにおいて柔軟性があります。建物のデザインにクリエイティブなアプローチが可能です。

デメリット

  • 耐久性や耐火性がそれほど高くない:鉄骨は錆びやすく、熱に弱いため、木造やコンクリート造に比べて強度が低下しやすいということです。
  • 音や振動の伝播:鉄骨は音や振動を伝えやすいため、周囲への騒音や振動の発生が問題になることがあります。
  • 重量:鉄骨は一般的に重いため、建物の基礎や地盤に対して十分な強度が必要です。これが建築地の条件や費用に影響を与えることがあります。

4.コンクリート系プレハブ工法とは

工場で生産されたプレキャストコンクリートパネルや箱型のユニットを現場で組み立てる工法。

メリット

  • 強度が高い:型枠の中に鉄筋を格子状に組み、コンクリートを流し込んで固めた躯体が特徴です。引っ張る力に強い鉄筋と、圧縮に強いコンクリートは好相性でとにかく頑丈です。
  • 耐震性・耐火性・防音性に優れる:コンクリート系ユニット工法は、耐震性・耐火性・防音性にも優れています。
  • 断熱性能の向上:コンクリートには断熱性があるため、外部の気温変化から建物を守る効果があります。また、プレキャスト・コンクリートユニットに断熱材を組み込んで性能を向上させることも可能です。

デメリット

  • 解体や再利用の難しさ:コンクリートの解体や再利用は困難であり、これが廃棄物の増加や環境への影響を引き起こす可能性があります。
  • 運搬・設置の難しさ:プレキャストコンクリートユニットは重量があるため、運搬や設置に特殊な機材や手順が必要となり、これがコストと工程に影響を及ぼすことがあります。
  • 外気温の変化の影響を受けやすい:コンクリートは熱伝導率が高いため外気温の変化の影響を受けやすく、夏は暑く冬は寒いです。しかし、断熱材の使用などの対策が必要です。
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